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痛風・尿路結石と漢方薬

痛風とは

 正確には「痛風関節炎」と云われ高尿酸血症により発症します。
 足の親指の付け根に、突然激しい痛みが起こり立つ事も出来なくなります。発作時は患部を冷やし、横になり患部を心臓より高いところに上げると患部への血流が緩和され痛みが軽減されます。疼痛時は消炎鎮痛剤を服用して痛みが治まったら2週間位あけて尿酸値を下げる治療を始めるとよいです。疼痛発作時に尿酸値を下げると疼痛が悪化します。
 痛風発作が一時的におさまっても高尿酸血症を治療しないと、疼痛発作の回数や部位が増え痛みが増して患部に尿酸の結晶がたまります。慢性化すると痛みは和らぎますが腫れてきて関節が変形してきます。この状態を「痛風結節」と云い全身の関節にもおこる様になります。

※痛風の患者さんの60%は肥満症で30%に腎障害がみられる。
※30歳未満は遺伝的体質によるものが多く、高尿酸血症が慢性化した場合は60歳以上の高齢者に多く見られます。


尿路結石とは

 高尿酸血症の状態が長く続くと尿酸の結晶が腎臓、尿管、膀胱、尿道など尿の通り道に結石が出来る疾患で痛みや血尿を引きおこし、痛風の患者の20%〜30%にみられます。
 結石は尿酸結石カルシュウム結石がありますが各々約50%ですが近年では尿酸結石の割合が増加傾向です。カルシュウム結石は微細な尿酸の結晶を核として大きくまた多数出来ると尿の流れが悪くなり腎障害を誘発させます。

※酸性尿を改善してアルカリ化させるといずれの結石も減少しますので肉類をひかえめに海藻や野菜を多く摂るようにする。


腎障害とは

 高尿酸血症の患者の多くは酸性尿なので尿酸が結晶になり易く糖や脂質代謝の異常、高血圧症を併発すると血管障害により腎臓の動脈硬化が進行して尿酸が沈着し、腎機能が低下して腎不全になり透析が必要な状態になります。

※腎障害が怖いのは自覚症状が少なく徐々に進行し腎臓の髄質が侵されますので、かなり進行した状態にならないと糸球体の異常を示す尿蛋白の検査で見落とされがちです、純粋な尿酸の結晶はX線やCTに写らないで、超音波エコーによりやっとわかりますので発見が遅れます。


高尿酸血症とは

 血清尿酸値が7mg/dl(血液100ml中尿酸が7mg溶けている状態)を超えた状態を云います。
 8mg/dl以上の状態を放置すると痛風発作、尿路結石、腎障害の原因となります。
 ひとの体は細胞より作られていて細胞には全て遺伝子が入っています。この遺伝子を作っている核酸という物質のなかにふくまれるプリン体の分解産物が尿酸です。
 からだの中では毎日一定量6mg/dl(血液100ml中尿酸が6mg溶けている状態)の尿酸が作られ、そのうちの約80%は腎臓より体外に排泄され一定の濃度が保たれていますが、尿酸排泄量が低下したり、産生量や摂取量が増えると尿酸値が上昇します。
 原因物質の尿酸は不溶性なうえ酸性尿の場合が多いので、ますます過剰になって結晶化して、尿酸は体のさまざまな部分に沈着して臓器障害を引き起こします。

※高尿酸血症は男性に多く女性に少ないのは、女性ホルモンのエストロゲンが体外への尿酸の排泄を促進させる為で、閉経後の中高齢者は女性ホルモンの分泌低下により痛風や尿路結石は増加します。
※夏は発汗量が多い為、尿が濃縮されますので高尿酸血症にならない様に多めに水分補給をするように心がける。
※人間は進化の過程で他の哺乳類とは異なり尿酸を分解する酵素を失いましたので、常に血液中に5〜6mg/dlは存在し、単に老廃物でなく抗酸化作用など体内での役割があると云われています。


高尿酸血症の治療

 日常生活での注意
 痛風発作の経験もなく、尿酸量もさほど高くない場合は気長に食事や運動など生活習慣を見直すようにすると数値が下がります。

食事ではプリン体を多く含む レバー、いくら、たらこ、しらす、しらこ、あんきも、かつぶし、にぼし、あじのひもの、などは多食しないように。
アルコールの摂りすぎは尿を酸性化させます、また尿酸排泄を減少させ、産生を促進させます。
肥満になると尿酸値が高くなりますので腹八分目を心がけ、カロリーの摂りすぎに注意するように、減量により尿酸の産生は低下し排泄は促進されます。
野菜や海草は尿をアルカリ化させますので積極的に摂取するよう心がけるように。
塩分を控える様に心がける。痛風の患者の約80%が高血圧症と云われ腎臓障害を起こしやすい。
水分を多く摂る事により尿量を増やし尿酸を溶けやすくして排泄を促進させます。
また睡眠中は呼吸が抑制され水分を補給しないので早朝尿は濃く尿酸濃度が高くなりますので就寝前に多めの水分を摂る様に心がける。
適度な運動(有酸素運動)散歩、水泳、サイクリングは好ましいが、過激な運動(無酸素運動)は血清尿酸値を上昇させるので控えるようにする。
ストレスをためない様、休養や気分転換を心掛ける。


西洋薬の治療

尿酸排泄促進薬
 尿酸の排泄が低下しているタイプに用いられ、尿酸の排泄を促進させ尿酸値を下げます。

尿酸産生抑制薬
 体内で尿酸が作られるのを妨げる薬です。尿酸が大量につくられる為に尿酸値が上がっている人に用います。

尿アルカリ化薬
 尿中の尿酸濃度が高くなると、尿路結石が出来やすくなるので尿をアルカリ性に傾けて尿酸を溶けやすくします。

高尿酸血症は、痛風、尿路結石、腎障害に留まらず生活習慣病である肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧症などを併発している場合が多く動脈硬化症が進み、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、腎不全などの原因になります。
 西洋薬による治療は、それぞれの疾患や症状の対症療法ですので症状に応じて多種類の薬剤を服用する事になります。


漢方薬の治療

漢方薬の得意とする分野です。

 食生活の節制や適度の運動を心がけるとさらに効果的です。やっかいな諸症状が重複している生活習慣病ですので気長に服用する事により、それぞれの病の進行を阻止して体質改善されます。

多くの漢方薬処方があります。

 主に用いられる処方には以下の生薬が多く含まれています。

柴胡 黄芩 半夏 生姜 芍薬 大棗 枳実 大黄 当帰 川芎 山梔子 連翹 薄荷 荊芥 防風 麻黄 芒硝 桔梗 白朮 石膏 甘草 滑石 猪苓 茯苓 沢瀉 阿膠 桂枝

胃腸に負担をかけないような温かく消化の良い食事をゆっくり時間をかけて食するようにする。
脂肪、たんぱく質、繊維類の多く含まれる食品は控えめにする。
コーヒー、アルコール、香辛料や刺激の強い嗜好品をひかえる。
レバー、卵、ベニバナ油、菜種油に多く含まれるアラキドン酸やリノール酸は症状を悪化させる説があるので控える。
IPA(イコサペンタン酸)を多く含むイワシ、サバ、ハマチや DHA(ドコサヘキサエン酸)を多く含むブリ、タイ、マグロなどは炎症を抑えるので適度に食するとよい。

 などこれらは単独で用いるのではなく、漢方薬の理論に則り患者の体質、体力、症状、病歴により処方を決定します。
 漢方薬も患者さんの体質に合わない薬を服用すると効果が期待出来ないばかりか、副作用がでる場合もあります。
 自己判断で処方を決めないで、多くの経験を積み研究している専門の薬剤師に時間をかけて相談のうえ、症状に合った漢方薬を選び服用なさるのが望ましいです。
 高尿酸血症は他の生活習慣病と関連して併発している場合が大変多いですので関連のメタボリック症候群高血圧症糖尿病肥満症高脂血症の項目が当ホームページにありますので御一読なさると生活習慣病について一層理解ができると思います。

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