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排尿異常とは
夜間・頻尿、残尿、尿もれ(尿失禁)、などを云います。これらの症状は単独でなく重複して発症する場合が多いです。
排尿異常は、加齢や水分の摂り過ぎ、冷え、ストレスなどにより発症しますが、病気が原因で起こる場合もあります。
腎臓で作られた尿は膀胱に貯められ通常約200ml〜300ml位たまると尿意をもよおし、500mlになりますと尿意がおきます。尿は約2時間位は貯めておく事が出来ます。普通では漏れる事はまずありません。
排尿の回数や量は、加齢や、気温の変化、摂取する水分量、発汗の状態や冷えや緊張した精神状態により増減します。
頻尿とは
排尿障害のなかで最も多くの人が経験します。頻繁に尿意を催し排尿する状態を云います。
正常な人では1日1,000〜1,500mlの尿を排泄します。普通は1回あたり200ml〜300ml位ですから尿の排泄は一般には1日4〜5回、多い人では7〜8回、10回以上を頻尿と云います。重症の場合は5〜10分に1回排尿する場合もあります。
夜間頻尿とは
就眠時に3回以上目覚めて排尿する場合を云います。
多くは加齢により心臓の働きや、腎臓などの泌尿器官の機能低下によります。普通は排尿の為夜間に起きる事はありません。
残尿感とは
排尿してもすっきりしない、尿が残っている感じを云います。
尿もれ(尿失禁)とは
尿道の排尿筋の収縮が不安定な状態になったり、膀胱の出口が刺激されておきます。女性は男性に比べ尿道が短いので訴える人が多い様です。
◇男性に多く見られる頻尿や残尿感
前立線肥大による。
高齢になると膀胱や尿道の周囲にある前立腺がはれ 尿路が圧迫され尿の排出が悪くなり、頻尿や残尿がおきやすくなります。
※当薬局のホームページ前立腺肥大と漢方薬の項目に詳しく解説、掲載してあります。
◇女性に多く見られる頻尿や残尿感
過活動膀胱
40歳以上の女性の約10人に1人の割合でおり、膀胱が勝手に収縮し過敏に働き頻尿をおこします。この中でさらに半分の人がトイレに間に合わず切迫性尿失禁を経験しています。多くの場合は原因が特定出来ていません。
腹圧性尿失禁
骨盤低筋の筋力低下は40歳以上の女性の8人に1人が経験しており、高齢者、肥満症、経産婦、便秘症の人に多く、咳、くしゃみ、大声で笑ったり、スポーツをする時に漏れます。子宮、膀胱、尿道を支えている筋肉が加重や老化により弱まりおきます。男性に比べ女性は尿道が短い事やエストロゲン(女性ホルモン)の分泌低下が関係していると云われています。
子宮内膜症
子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所に出来尿道を圧迫するので、頻尿、下腹部痛、排尿痛の原因になります。
◇一般的な頻尿や残尿感の原因は
抗利尿ホルモンの分泌低下による。
高齢になると尿が濃縮されないので希薄な尿量が増加し。夜間の尿量が増えます。
心臓の機能低下による。
日中は血液が高い位置にある心臓に充分に戻れずに下肢にとどまった状態になり、夜に就寝して横になると心臓の位置が低くなり、戻りやすくなり腎臓により多くの血液が送られ夜間の尿量が増加します。
糖尿病による。
過剰な水分の摂取により尿量過多や頻尿をもたらします。
※当薬局のホームページ糖尿病と漢方薬の項に詳しく掲載してあります。
感染症による。(膀胱炎、尿道炎など)
尿道口から大腸菌などが尿道や膀胱に進入し増殖して細菌感染により膀胱粘膜が炎症を起こし、頻尿、残尿感、尿意切迫感、排尿痛や尿の濁りなどがみられる様になります。
※当薬局のホームページ女性の病気と漢方薬の項の膀胱炎とは、に詳しく掲載してあります。
脳梗塞、脳腫瘍など脳や神経による。
脳と膀胱の筋肉を結ぶ神経回路に障害がおきて指令がうまく伝わらないので頻尿や尿漏れがおきます。
膀胱・尿路結石による。
膀胱内や尿管に結石が出来、尿路をふさぎ刺激しますので頻尿になり、ほかに排尿痛や血尿がでます。
※当薬局のホームページ痛風・尿路結石と漢方薬の項に詳しく掲載してあります。
性病による。
淋菌、クラミジアなどの感染により尿道が炎症を起こし頻尿、残尿感、排尿痛、を訴え膿状粘液などが出ます。
コヒーやアルコールの飲み過ぎによる。
利尿作用がありますので就寝前の飲み過ぎは控えるほうが良いです
下腹部の冷えによる。
冷飲料の飲み過ぎやエアコンのかけ過ぎ、薄着などによります。
神経症やストレスによる。
泌尿器の異常がなくて、過度の緊張や色々なストレスが原因で大脳中枢の過剰反応により膀胱を刺激し収縮させ発症します。夜間や物事に集中している時には頻尿はありません。
新薬の副作用による。
降圧剤、抗神経薬の服用などによる多尿、頻尿、残尿感など。
水分の摂取過多による。
「水を多く摂取すれば血液がサラサラになる」と妄信し大量の水を飲む中高年の方々や、「水を沢山飲むと体に良い」と漠然と信じている若い人々が多いです。「過ぎたるは及ばざるが如し」で適量を摂る事が大切です。
水分の摂りすぎによる弊害もありますので理解して下さい。
日本排尿機能学会の複数の文献によると
1日に飲む水の量が、体重の2〜2.5%に収まっていれば頻尿になりにくいとする診療ガイドラインをまとめています。食事以外に1日1000〜1500ccの水分摂取量が必要です。適量の水分を常温または微温湯で回数を多く少量ずつ摂る様に心がけると良いです。
※水分の摂りすぎによる低ナトリウム血症(水中毒)は単なる水の飲みすぎだと軽視してはいけません。むくみ、悪心、嘔吐、下痢、けいれん、運動失調、呼吸困難、精神錯乱などの症状をおこし、死亡する場合もあります。
「低ナトリウム血症」とは
体外に排泄される水分量より体内に摂取される水分量が多いと、血清ナトリウム濃度が減退します。運動中に脱水症状を防ぐ意味での水分補給は望ましいですが、運動していて体がむくんだり、体重増加がみられる場合は、「低ナトリウム血症」の可能性が考えられ、脱水症状と勘違いして水分補給して症状を悪化させる場合がありますのでくれぐれも注意下さい。
応急処置で塩分やスポーツドリンクを飲む事で症状を悪化させる場合がありますので要注意です。
「低ナトリウム血症」の場合「体液貯蓄型」であるケースがほとんどですので低ナトリウム血症でも単純にナトリウム不足が原因とは云えない場合があります。むしろ、ナトリウムも体液も過剰なためナトリウム濃度が下がるケースがあります。この場合は水分の摂取を制限する必要がありますのでナトリウム濃度低下の原因を調べ治療を行う事が大切です。
※高齢者、特に寝たきりの人は適度の水分補給を心がける様に
高齢になると体内の水分量が若者に比べ少なく口の渇き尿量の減少など自覚症状が現れにくいので水分が不足してもわかりにくく脱水症状を起しやすいので注意が必要です。脱水症を起すと血液が固まりやすくなり脳梗塞や心筋梗塞の引きがねにもなります。
夏の暑さに対しては発汗や体温調節機能が低く、暑さに対する感覚が鈍いので若い人に比べ体温が上昇しやすいので熱中症に罹りやすいので注意する必要があります。
エアコンを使用する場合は、室温は28度、湿度60%程度が望ましいです。
頻尿、尿漏れなどの生活改善方法
◎膀胱の訓練
過活動膀胱の場合は、
家にいる時にトイレに行きたくてもがまんするように訓練すると尿量を増やしたり時間を延ばす事が可能です。
骨盤低筋体操
時間がある時に、仰向けに横になり両足を肩幅程度に開いて両膝を軽く立てて、尿道、肛門、膣を締める運動を心がけて毎日続ける様にすると少しずつ改善されます。
◎原因となる病気がはっきりしている場合
その病気を治療する漢方薬の服用で多くは改善されます。
◎下腹部を温かく冷やさないように
入浴はシャワーでなく、ぬるめのお風呂にゆっくりと入る習慣をつける。冬より夏の方が薄着の為エアコンにより冷えますので。就寝時は腹巻きを着用する様にする。
◎気分転換を心がけリラックスする。
緊張状態が続くと膀胱や尿道が過敏に作用しますので頻尿の原因になります。
◎過剰な水分を摂らない様に
食事の味付けは薄味で塩分は控えめにする。
漢方薬による治療
原因となる加齢には補腎剤、水分の過剰摂取には利水剤、神経症には理気剤、冷え症には散寒剤、内臓下垂には補気剤を気長に服用なさる事をお薦めします。
| ◎ |
西洋医学の治療で満足できる症状の改善がみられない時でも、漢方薬にて根気よく服用する事で体質改善され好転する場合がかなり有ります。 |
| ◎ |
特に初期の場合は改善率も高く、慢性のものにも試してみる価値はあります。 |
| ◎ |
化学薬品との併用による相乗効果も期待できます。
しかし薬を服用すれば必ず良くなると云うものではなく、規則正しい日常生活や、食生活にも充分に注意を払う様に心がけるとさらに良い効果が得られます。 |
| ◎ |
漢方薬では「同病異治」の治療をします。病名で処方を決めるのでなく、体力、体質、病気の進行具合、症状などにより東洋医学的な診断で処方が決められます。素人判断で漢方処方を服用する事は効果が期待できないばかりか、副作用が起きる場合もありますので、漢方薬の診断に精通した専門の薬剤師に相談したうえで服用なさる事を御勧め致します。 |
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