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メタボリック症候群とは
内臓脂肪症候群(メタボリック・シンドローム)とも云われ、内臓に脂肪が蓄積して内蔵脂肪型肥満になり、血糖値、血圧、中性脂肪値などが高くなる傾向にあり、これら3つの症状のうちいずれか2つ以上の症状を併発している状態を云います。
メタボリック症候群の危険性
それぞれの血糖、血圧、中性脂肪の値がそれ程高くない境界値であっても併発すると動脈硬化が急速に進み、虚血性心臓病、脳卒中、脳血管性痴呆、心不全などの原因になる。病気の発症の危険性は該当しない人に比べ3〜4倍も多くなり危険因子の数が多い程危険度が急激に高くなります。
内臓脂肪蓄積の弊害
| ◎ |
アデイポネクチンの減少により、動脈硬化を防いだり、傷ついた血管壁の修復やインシュリンの活性をさまたげたり、心筋肥大の抑制などの働きが低下する。 |
| ◎ |
サイトカインが細胞より放出されインシュリンの働きが低下して高血糖を引き起こす。 |
| ◎ |
アンギオテンシノーゲンの増加により、血管が収縮して高血圧を引き起こす。 |
| ◎ |
パイワンの増加により血栓が出来やすくなり、脳梗塞や心筋梗塞の誘因になる。 |
メタボリック症候群の特定検診・保健指導の実施の理由
日本の医療費は生活習慣病の急激な増加により、平成17年度には32兆4000億円で、平成13年度と比較して4年の間に2兆円も増加しており、メタボリック症候群の人の10年後の医療費は正常な人の3倍高くなると云われている。このままでは健康保険の財政が破たんしてしまうので今後の高齢者の増加に対応するには、治療より予防に重点を置く施策が病気も費用も減らす事になるので、平成20年4月から医療改革の一環として実施される事になりました。40歳〜74歳までの人が検査対象になります。
メタボリック症候群の診断基準
| (1) |
内臓脂肪の蓄積量
内臓の蓄積量のチエックで、肥満測定に用いられるBMI(体格指数)でなく、腹周(へそ周り)で測定する。
男性85p以上、女性90p以上(男女共、腹部CT検査の内臓脂肪面積が100平方センチ以上)
※正確にはCTスキャンで検査するのが最良ですが費用と時間がかかるので、腹周を測定します。
※腹周(へそ周り)については、学者の間で厳しすぎるとの意見もあります。
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| (2) |
脂質異常
メタボリック症候群では、過剰な中性脂肪の増加と、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の減少が問題になります。
・中性脂肪 150mg/dl以上
・HDLコレステロール 40mg/dl未満のいずれかまたは両方 |
| (3) |
高血圧
高血圧症と診断される最高(収縮期)血圧140mmHg以上、最低(拡張期)血圧90mmHgより低めの数値が診断基準になっています。
・最高(収縮期)血圧 130mmHg
・最低(拡張期)血圧 85mmHgのいずれかまたは両方 |
| (4) |
高血糖
糖尿病と診断される空腹時血糖値126mg/dl以上より低めに設定してあります。
・空腹時血糖値 110mg/dl以上 |
(1)〜(4)が軽度で有っても複数の項目で重なると動脈硬化が進み、心筋梗塞脳卒中のリスクが高まるとされる。肥満、高脂血症、高血圧、糖尿病、のうち3つ以上重なる人は重ならない人に比べ心臓冠動脈疾患のリスクは30倍にも高くなると云われている。運動不足と脂肪分の多い食事などの生活習慣により中高年男性の半数以上、女性の20%が該当する。
肥満は、内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満に分類されます。
内臓脂肪型肥満
外見がリンゴ型になる肥満で脂肪が内蔵に蓄積され、高血糖、脂質異常、高血圧などの症状もある場合はメタボリック症候群の状態である。
※「溜まりやすくて落ちやすい」脂肪の性質なので食養生や運動など少しの減量で効果がでやすい。
皮下脂肪型肥満
お尻や太ももなど下半身に脂肪が溜まり、外見が洋ナシ型になる肥満を云い、単に外観上の問題で生活習慣病には関与しない。
※内臓脂肪型肥満より不養生でも脂肪がつきにくいが、ついた脂肪は減少しにくく「溜まりにくいが落ちにくい」性質がある。
※日本人は農耕民族で穀物を主食に、野菜、魚類を副食に粗食な生活を歴史的に営んでいた事や、モンゴル系民族の血を引いており、痩せた土地での生活は進化の過程で飢餓に耐えて生き抜く「倹約遺伝子」の働きを強く受け継ぎ、飢餓に強く飽食に弱い体質なりました。しかし食の欧米化により、肉類や脂肪、糖質など高カロリー食の過多による肥満の弊害が出やすい体質と云われています。
メタボリック症候群の現況
男女とも、40歳以上の中高年に多くなっており、40〜74歳で見ると、強く疑われる人は約920万人、予備軍と考えられる人約980万人で合計約1,900万人と推定されています。
高血圧症性疾患は約781万人、糖尿病は約247万人と増加傾向にあり、男性の2人に1人、女性の5人に1人が該当します。(平成17年度厚生労働省の発表)
メタボリック症候群の予防及び改善
生活習慣を改善して、内臓脂肪を減らす努力をする。
| ◎ |
運動習慣の徹底
ジョギング、サイクリングや水泳など有酸素運動を毎日継続する事が理想ですが、1日10,000歩が難しい様でしたら6,000歩でも中性脂肪が減少して、善玉コレステロールが増加します。毎日の生活の活動性を高める努力をするように、短い距離ならタクシーにのらないで歩く、エレベーターやエスカレーターを使わず階段を上るなど、継続は力なりです。減量は3〜6ヵ月で体重の10%を目標に1日50gをめどにすると良いです。 |
| ◎ |
食生活の改善
腹八分目の食事
過食は、胃拡張になり満腹中枢が作用しなくなり、特に中年以降は基礎代謝が低下しますので若い人に比べ肥りやすくなります。
夜型の過食を控える
夕食、夜食を多く食すると、朝や昼に比べ基礎代謝が低下しますので、 内臓脂肪として蓄積されやすく、食後の血糖を上昇させ、高インシュリン血症をおこします。就寝まで4時間以上あけるようにする。
三食はきちんと食べ抜かない。間食はひかえる
かえって肥満の原因になります。
糖質、動物性脂肪、コレステロールの多い食品は控えめに
血糖や血中の脂質を増加させ肥満の原因になります。
野菜、海藻、きのこ、豆類など食物繊維を多く摂るように
低カロリーで胃停滞時間が長く満腹感が持続します。血液中の総コレステロール値や悪玉コレステロール値を下げ、血圧降下作用が期待できます。
早食いはしないで良くかんで、ゆっくり食べる
ゆっくり一口30回以上良くかみ食事時間は30分以上かけるようにすると満腹感を感じ過食にならない。
ストレスを溜めないように
やけ食いは、満腹中枢が機能しないで過食になり肥満の原因になります。入浴はぬるめで長めに、早寝早起きを心掛け睡眠不足にならない様に。気分転換を心がけ、生活にゆとりをもって、頭を休め、体を動かす様に心がける。
ビタミンを多く摂るように
ビタミンE、C、β‐カロチンは悪玉コレステロールの酸化による動脈硬化を防ぐ作用があります。
アルコールは控え目に
1日に清酒は1合、ビールは1本までとして、1週間に1日は飲まないように。 |
| ◎ |
喫煙の恐ろしさを認識して、禁煙するように
喫煙は善玉コレステロール値を低下させ、動脈硬化の進行を早め危険性を高めますので禁煙すべきです。 |
| ◎ |
塩分のとり過ぎも血管に負担をかけ動脈硬化を起こしやすくします
1日の食塩摂取量は5g位に制限する事により高血圧を予防する事ができます。 |
| ◎ |
過食と運動不足による肥満は
乳ガンや子宮体部ガン、一部の大腸ガンや胆のうガンの危険因子にもなっています。 |
※以上の事を励行しても改善されない場合、薬物を服用する。
西洋薬の治療
内臓脂肪を減らす薬は現在のところありません。
食事療法、運動療法を継続して内臓脂肪値を下げるよう努力したうえで改善がみられない場合は、症状に応じて高血圧、高血糖、高脂血症など対象療法の薬物を用います。
漢方薬の治療
| ◎ |
漢方薬の得意な分野ですが、服用すればなにもかもすぐに解決すると云うものでなく食生活や運動など日常生活の節制が大切なのは言うまでもありません。それらを充分に配慮し実行したうえで、気長に服用する事により体質改善されます。 |
| ◎ |
多くの漢方薬処方があります
主に用いられる生薬は、以下のものが多く含まれています。
柴胡 黄芩 芍薬 枳実 大黄 黄連 山梔子 防風 麻黄 甘草 石膏 荊芥 生姜 川芎
当帰 黄柏 半夏 亡硝 防己 黄耆 白朮 大棗 牡丹皮 桂枝 升麻 桃仁 瓜子
など
これらは単独の生薬の薬効を期待するのではなく、生薬の合理的な組み合せにより、発汗、利尿、排便、消炎、解毒、解熱、血行改善などの相乗効果により新陳代謝を高め、脂質代謝を活性化させ根本から内臓脂肪を減らします。
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| ※ |
長い年月を経て経験的に、より効果的で副作用のない5〜10種余の複雑な組み合わせが考え出され、多くの処方が誕生して現在でも重要な働きをもって繁用されています。西洋薬との併用も可能ですし、相乗効果が期待できます。
使用方法は多くの経験を積み研究してやっと理解できるものです。症状、体力、病歴、体質に合わない漢方薬の服用は効果が期待出来ないばかりか、副作用が出る場合もあります。自己判断しないで専門の薬剤師に相談のうえ、症状に合った漢方薬を服用下さい。
なお関連の、高血圧、糖尿病、肥満症、高脂血症の項目が当ホームページにありますので、更に理解して頂けると思いますので、御一読下さい。
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