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冷え症(冷え性)と漢方薬

冷え症とは

 冷えやすい体質を云い、身体の血液の循環が悪く身体のすみずみまで温かい血液が巡らなくなり手、足、背中、腹部、腰、膝などが冷える体質で、日本人女性を悩ます事が多く、欧米人にはあまりありません。人種的な違い、気候風土や食物の違いなどの複合的要因によると考えられていますが定説はありません。


冷え症と冷え性の違い

 冷え症は自律神経系障害からくる血管異常により手・足・腹部・腰などの特定部位が冷たく感じる症状で病的症状が現れたものを云う。
 冷え性は日常の不規則な生活、食事や運動不足などで血行不良になり冷える症状で本来の体質も有り、冷え症より軽度。
と云われますが両者を区別しない場合が多いです。


冷え症の原因

(1)自律神経系の乱れにより体温調節がうまくできなくなる
  自律神経とは自分の意思と関係なく、循環器、呼吸器、消化器、生殖器、泌尿器、内分泌腺、汗腺、唾液腺などを自動的に調節する交感神経と副交感神経がその時の身体の具合が良い状態に自動的に働きます。過労、ストレス、睡眠不足、運動不足、夏のエアコンによる過度の冷えや冷飲料の摂り過ぎ、日常生活の不摂生などによりうまく機能しなくなります。
(2)ホルモンバランスの崩れと分泌低下
  若い女性の不摂生な生活や、中年女性の更年期障害などにより卵胞ホルモンと黄体ホルモンのバランスが崩れたり、分泌低下による。
生理不順の女性に冷え症が多いのも同一の原因によると思われる。
(3)貧血や低血圧による
  栄養素や酸素が身体組織の末端にまで充分に行き渡らないため。
(4)締め付けた衣類や薄着による
  身体をしめつけると毛細血管が圧迫され、薄着は体表面が冷やされて毛細血管が収縮し血液の流れが悪くなる。
(5)入浴でなくシャワーですませる
  シャワーは身体を洗うだけです。芯まで温まり血行が良くなるにはぬるめで長めの入浴が望ましい。
(6)体を冷やす食品の摂りすぎ
  冷たい飲料や食物、南方や夏に収穫された野菜や果物の摂りすぎによる。
(7)ダイエットによる食事制限
  栄養素や鉄分などミネラルの不足を招き、貧血になり体組織末端まで血液が巡らず冷え症の原因になる。
(8)皮下脂肪過多による体表の冷え
  体内で産生された体熱が皮下脂肪により遮断されるので表皮は冷たく感じ、皮下脂肪に圧迫され体表の毛細血管の血液の流れが悪くなり冷えやすくなると云われている。
※女性は男性に比べ皮下脂肪が多く、体熱を産生する筋肉が少ないので冷え症が多い。
(9)生理の出血過多による過度の貧血
  身体全身に循環する血液が減少し栄養素と酸素が不足する。
(10)大病後や大手術後による体力低下
  心臓の働きの低下や貧血により、全身に血液が行きわたりにくくなる。
(11)運動不足や筋力の低下
  毛細血管が収縮して全身の血行不良を招き、代謝を低下させる。
(12)高齢による新陳代謝や体力の低下や動脈硬化による
  心臓の力が弱まり、動脈硬化が進行して身体の末端まで血液が行き渡りにくくなり酸素や栄養不足になる。
冷え症になると肥ると云われるのは、
  血行が悪くなり代謝が低下すると脂肪が燃焼されにくく、血管や老廃物を運びだすリンパの働きが悪くなり身体に老廃物や水分が溜まり発汗や利尿作用が低下するのでむくみを引き起こし体重が増加します。
この様な状態で一般的なダイエットをすると体調を崩し生理が止まり栄養失調になり取り返しのつかない事になる。
この様な場合漢方薬によって理想的なダイエットが出来ます。


冷え症が原因と考えられる症状

 頭痛、めまい、動悸、たちくらみ、低血圧、肩こり、しゃっくり、胃下垂、胃アトニー、嘔吐、腹部膨満感、胃痛、腹痛、便秘、下痢、脱肛、頻尿、夜間尿、夜尿症、むくみ、膀胱炎、腰痛、手足のしびれ、神経痛、生理痛、生理不順、不妊症、おりもの、流産、慢性疲労、免疫力低下などがあげられますが、多くは単独の原因でなく複合的要因によりますので漢方薬の治療が適しています。


日常生活での注意

三食は必ず食べて抜く事はしないように。
不摂生な生活や睡眠不足にならないように。
シャワーでなく、ぬるめで長めの入浴を心がける。
ゆるめの衣類を着用して薄着をしない。
心がけて身体を動かすように努める。
過度のダイエットは慎む。
ストレスをためないよう気分転換をはかる。


西洋薬の治療

 治療法も確立されていませんし、治療する薬品がありません。


漢方薬の治療

 漢方薬の得意な分野で多くは改善されます。
 漢方薬の服用によって冷え症の原因となる自律神経の働きやホルモンバランスを整えて、貧血や身体の水分代謝を改善全身の血行を促進して機能が高められて冷え症は体質改善されます。
 規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度の運動を心がけるとさらに効果的です。
 やっかいな諸症状が重複していますので気長に服用しますと、それぞれの原因が根本から体質改善されます。

多くの漢方薬処方があります。

 主に用いられる処方には以下の生薬が多く含まれています。

当帰 川芎 芍薬 茯苓 白朮 沢瀉 桂枝 牡丹皮 桃仁 芍薬 桃仁 甘草 芒硝 大黄 乾姜 木通 細辛 大棗 呉茱萸 地黄 山薬 附子 人参 半夏 など

 これらは単独で用いるのではなく、漢方薬の理論に則り患者の体質、体力、症状、病歴により処方を決定します。
 漢方薬も患者さんの体質に合わない薬を服用すると効果が期待出来ないばかりか、副作用がでる場合もあります。
 自己判断で処方を決めないで、多くの経験を積み研究している専門の漢方薬局の薬剤師に時間をかけて相談のうえ、症状に合った漢方薬を選び服用なさるのが望ましいです。

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