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ガン・癌(がん)と漢方薬

ガンとは

 人間の体内で正常な細胞が突然変異を起こし異常に増殖して発症した悪性腫瘍を云います。
 ガンは人類にとって宿命ともいえる未だ克服できない大変恐ろしい病気で末期では大変な激痛を伴います。
 近年わが国ではガン患者は増加して毎年約30万人以上の方がガンで死亡しており、現在全死亡者に占める割合は30%以上に達し、昭和56年以来死亡率で第一位を占めるようになりました。およそ2人に1人はガンで死亡した事になり、厚生労働省は2,015年にはガン患者数530万人と予測しています。
 日本人では男女とも胃ガン、次いで肺ガン、肝臓ガン、大腸ガンの順で発症していましたが、最近では胃がんが減少して肺ガン、大腸ガン、乳ガンが増加しています。また男性では前立腺ガン、女性では乳ガンの増加が顕著です。一般的に中高年になると免疫力が低下してガン患者は増加しやすいので手遅れにならないように定期的に健康診断を受診する事をお勧めします。

ガン細胞の誕生

 私たち人間の60兆個の細胞は、それぞれ核の中に細胞の生成に不可欠な染色体を持っており、人の染色体は46個あります。これが二つに分裂して核も二つになり二つの細胞が誕生し増殖しますが、ある時突然細胞に変化がおき、増殖性で寿命が無制限な染色体が60〜80個の異常な細胞が誕生する事があります。これがガン細胞です。

ガン細胞の出現から増殖までの経過

 正常細胞はガンの引き金となる発ガン物質によりやや異常な細胞に変化して、さらにガン化促進物質が作用してガン細胞が出現します。

発ガン物質(イニシエーター)の代表的な物質として
焼肉や焼き魚の黒くこげた部分に含まれるトリップP1、 P2と云う物質や、化学薬品のアミノ類、ニトロソ化合物、カビの中のアフラトキシン、などが代表的な発がん物質です。
ガン化促進物質(プロモーター)
タバコのタール物質、コーヒーのカフェイン、加熱した、日光の紫外線、レントゲンのX線卵胞ホルモン、ステロイドホルモンなどがあげられます。

 ガン細胞は、子供からお年寄りまで正常細胞が活性酸素などにより傷つけられ、ガン化された細胞が3,000〜5,000個位毎日体内に出来ますが、体内のNK(ナチュラルキラー)細胞が直接ガン細胞を攻撃し、ガン細胞の転移を抑制、キラーT細胞を活性化させガンを退治して健康が保たれています。体内において1個のガン細胞が1gまで増えるのには8年〜10年かかり、1gのガンは直径1cmの大きさで検査でわかる極めて小さな初期ガンになり、増殖して大きさが2kgになると生命が危険な状態になります。一般的に思われているより超慢性疾患なので、特殊なガンを除いて急に増大する事はありませんので、発見されても慌てる事なく最善の治療法を考える事が大切です。

ストレスによりNK細胞の働きが大きく減りますので、物事を極端に悲観的に思いつめ、1人で考え込んだり、マイナス思考は良くありません。笑いやときめきの多い楽しい人生、親しい友人との語らい、趣味や旅行など、生き甲斐の持てる生活を心がけると免疫力が高められ、ガンの予防効果があります。

ガン患者の栄養管理

 ガン患者の約半数は体重減少が見られます。体重減少は体力、免疫力の低下を引き起こし、生存期間も短くなりますので痩せない様に努力する必要があります。
 体重減少の原因は、ガンの進行により患者の免疫反応として放出されるサイトカインや、ガン細胞が放出する蛋白質分解誘導因子(PIF)などにより「悪液質」を生成し代謝異常が起こり、体重減少、食欲不振、特異的衰弱状態や全身の機能が低下します。サイトカインやPIFの働きを抑え代謝異常を改善するエイコサペンタン酸(EPA)を多く含むイワシやサバなどの青魚を多く食する様に心がけて、ふだんの食事に加えウナギやサンマなど脂の多い魚とビタミンCやβカロテンなど抗酸化ビタミンを含む緑黄野菜を多く食べると良いです。

ガン細胞の特性

正常細胞と異なり増殖し続け止まる事がない。
自身の栄養を確保するため血管を新生して、正常組織が摂取しようとする栄養を奪うので体が衰弱して、痩せて全身的に機能が低下する。
ガン細胞は自身を守るためにHLA抗原を隠す性質があり、免疫細胞の監視をのがれて増殖します。
いろいろな免疫細胞を抑制する物質を産生し、毒素を放出するので、食欲減退、免疫力や体力低下がおきます。
血液やリンパ液の流れに乗って新たな臓器に転移し、ガン組織を作ります。

※多くは途中で免疫細胞の攻撃を受け、たどり着くガン細胞は1万個に1個と云われています。

国立ガンセンター示した「ガン予防の12カ条」

1)

偏食をしないでバランスのとれた栄養を摂る
我々が日々食べている食品には、ガンを引き起こす物質と抑える物質が存在しています。食事の際にできるだけ多くの種類の食品を摂る事は栄養の面だけではなく、食物中の発ガン物質の作用を相殺する事が出来ます。その為1日30品目位の食品の摂取を心がける様にすると良いです。

※食卓にはびこる三白の害
塩分は精製された塩化ナトリウムでは多数のミネラル分が欠如していますので粗塩を用いると良いです。
砂糖は精製された白糖ではビタミン、ミネラル類が除かれていますので粗糖や三温糖などを用いると良いです。
白米は精米により糠に含まれるビタミン、ミネラル類が除かれていますので玄米や胚芽米を食すると良いです。

健康に良い食品の語呂合わせ「まごはやさしい」と云う評語を耳にします。
「ま」は豆類、「ご」はごま、「は」はわかめなど海草、「や」野菜、「さ」は魚、「し」はしいたけなどキノコ類、「い」はイモ類などをバランス良く食すると良いので参考にして下さい。

※毎日食すると良い5つの食品群
発酵食品  漬け物、ピクルス、味噌、納豆など
丸ごと食品  小魚、玄米、ゴマなど
食物繊維  野菜、海草、きのこなど
嗜好食品  しそ、わさび、梅干など
温性食品  しょうが、ねぎ、にんにく、もち米など

2) なるべく同じ食品を繰り返し食べない
食物中の発ガン物質濃度は微量ですが、偏食や繰り返し同じ食品を摂取すると体内の発ガン物質濃度が高くなります。
3) 食べ過ぎをさける
ネズミの実験ですが食事量を60%ぐらいに制限すると発ガン率が低い結果がでます。また脂肪の摂取量が多いと乳ガン、大腸ガン、前立腺ガンになりやすいとも云われています。
4) アルコールを飲みすぎない
過度の飲酒は肝臓ガンのみにとどまらず、口腔や咽頭、食道などの粘膜を傷つけますので、口腔ガン、咽頭ガン、食道ガンの原因になります。
※またアルコールの飲みすぎと喫煙が重なると発ガンの危険が増します。
5) タバコを吸わない
1日25本以上吸う人は吸わない人に比べ、咽頭ガンは90倍以上、肺ガンが7倍の死亡率になります。5年以上禁煙するとガンの危険は、吸わない人と同じ位の状態になります。今からでも遅くありませんので喫煙者はぜひ禁煙をして下さい。
※夫婦で夫が1日20本以上喫煙する場合は、妻の肺ガンの死亡率は2倍も高いと云われており、また喫煙年齢が低いほど肺ガンにかかりやすくなります。
6) ビタミンと繊維質のもの、緑黄色野菜を良く摂る
ビタミンA、C、Eや、野菜に含まれる繊維質やポリフェノールはガンを防ぐ働きがあります。また繊維質は大腸の働きを活発にして便通をよくして、腸内にある発ガン物質濃度を薄めますので大腸ガンの予防になります。
7) 塩辛いものを多量に食べない
高濃度の塩分は胃ガンの発生を高めますので、1日の食塩摂取量は6g以下の薄味が望ましいです。
※日本食の欠点は塩分(ナトリウム)の摂り過ぎです。
カルシュウムの不足にならないように。塩分の害を防ぐカルシュウム、カリウム、マグネシュウムを含む食品や牛乳、発酵乳などを心がけて飲食するとよいです。
8) 熱すぎるもの、ひどく焦げた部分は食べない
熱い食べ物、飲み物のとり過ぎは食道ガンや胃ガン の発生を高めます。
魚や肉を焼いて焦がすと細胞が突然変異を起こし発ガン物質が出来ますので、調理温度が高く調理時間が長くならない様にして、焦げた部分は大量に食べないようにすると良いです。
9) カビの生えたものは食べない
外国産のナッツ類や、とうもろこしにつくカビは強い発ガン性が認められるものがあります。
10) 過度に日光に当たらない
海水浴や炎天下で長時間日光に当たると紫外線の影響で皮膚ガンを誘発します。
11) 過労を避け、ストレスをためない
疲労がたまりストレスが続くと体の免疫力や抵抗力が低下しますのでガンになる危険も高くなります。
12) 体を清潔にする
毎日シャワーや入浴で体を清潔にする事により、皮膚ガン、陰茎ガン、子宮頸ガンをある程度予防する事ができます。

※この12カ条を積極的に実行すればガンの約60%は防げると云われています。

日本対ガン協会による「ガンの危険信号八カ条」

1)

肺ガン、咽頭ガン
咳が長く続いたり、痰に血液が混ざっていないか。

2) 胃ガン
慢性的な胸やけや胃もたれなど胃の具合が悪くないか。食べ物の好みが変わったりしないか。
3) 食道ガン
食べ物や水を飲み込む時に胸につかえる感じやしみたりしないか。
4) 結腸、直腸ガン
便秘と下痢を繰り返していないか。便に血液や粘液が混じったりしないか。
5) 舌ガン、皮膚ガン
舌にしこりや、治りにくいできものや潰瘍が体のどこかにないか、イボが急に大きくなる事はないか。
6) 乳ガン
乳房のなかに、しこりがふれたり乳首の微少出血はないか。
7) 子宮がん
おりものが出たり不正性器出血がないか。
8) 膀胱ガン、前立腺ガン
尿の出が悪くなったり尿に血液が混じったりしないか。

※以上の症状が長く続き悪化して、気になる場合は専門医の検査をお勧めします。

低体温症は免疫力低下により、ガンに罹りやすくなります

 理想的な体温は36.5〜37.0℃ですが、たった1℃下がりますと発症率が高まります。

ガン細胞は低体温を好みます。特に35℃を最も好み、39.3℃で死滅します。
免疫力が37%低下して、風邪や色々な病気にかかりやすくなり、治りにくくなります。
体内酵素の働きが50%低下しますので、食物の消化力やエネルギー生産力低下により体力が低下します。
基礎代謝が12%低下しますので、1日200〜500KCal代謝が低下して、1ヶ月で体重が1〜2Kg増えます

低体温症は漢方薬の得意分野ですので気長に服用なさると体質改善する事ができます。

ガンの一般的治療法

手術療法
 転移していない早期ガンや、1ヶ所に固まっている胃ガン、臓器ガン、皮膚ガンやなどの固形ガンを切除する治療法で、最も有力な治療法ですが転移している場合や癒着している場合は不適です。
<副作用>
肉体的負担が大きく、場合によってはガンを散らばらせる欠点があります。

放射線療法
 放射線でガンやガンに栄養を与えている血管に損傷を与え消滅させる治療法です。
 手術に比べ時間を要するが周囲の組織への癒着がある場合も有効で手術に比べ体への負担が少ないが、効果のないガンもあります。
<副作用>
正常な細胞にも損傷をあたえますので放射線照射法を工夫して治療する必要があります。

※重粒子線、中性子線、陽子線療法
 最近開発された治療法で、従来の放射線療法に比べ周囲の正常細胞にダメージを与える事が少なく体の奥のガン病巣に対して集中的に攻撃する事が可能で副作用は少ないと云われていますが研究段階です。

化学療法
 抗ガン剤の内服や静脈内に注射をしてガン細胞の増殖を抑え、ガン細胞を破壊する治療法でからだ全身に薬が運ばれるので体内のどこのガンにも用いられる。進行ガンや転移ガンに用いられますが、一時的にガンが縮小しても、完治が難しいです。
<副作用>
脱毛、嘔吐、食欲不振、口内炎、下痢、腎障害、体重減少、疲労倦怠感など強い副作用があります。

免疫細胞療法
 ガン細胞に対する攻撃力の中心となるリンパ球や、リンパ球にガンの特徴を知らせる役割を持つ樹状細胞を患者の血液からとりだし、体外で培養・活性化して、機能を強め、数を増やして患者の体に戻す治療を行う。自身の血液を用いるので強い副作用はありませんが、効果が不明な点もあり、大きなガンには不向きと云われています。

ホルモン療法
 前立腺ガンに女性ホルモンを投与しますが、副作用や再発する場合がありますので完全に治療するには患部を全摘出するのが望ましい様です。

温熱療法
 体温を上げる事で熱に弱いガンを治療すると云う治療法ですが、患者が熱に耐えられないので現在ではほとんど用いられていない様です。

民間薬療法
 民間薬は昔から現在に至るまで人々の間で経験的に用いられている伝統的治療薬です。
 近年代替医療として注目され、既存の医療を補完する治療薬として用いられています。
 薬草を用いる点では漢方薬と共通ですが、民間薬は単味で用いられます。現状では科学的、医学的にまだ未解明な点もあり研究段階の状態です。

ガン細胞を攻撃する薬草として中国で臨床に用いられている半枝蓮白花蛇舌草板藍恨などは免疫力を高め、微少ガン細胞を排除する事により再発防止や延命に対し一定の効果がある様です。
霊芝、梅寄生、メシマコブ、アガリクス、冬虫夏草、などガンの再発・転移防止、免疫賦活増強があるのではないかと云われています。

漢方薬による治療

 手術療法、放射線療法、化学療法などの三大治療法はいずれの場合も強い副作用があります。肉体的負担が多く、体力や免疫力、抗酸化力の低下をもたらしますので漢方薬の併用により全身の免疫細胞を賦活し副作用を軽減して治療効果を高め、食欲を増進させ、体力、免疫力を回復させます。
 漢方治療は西洋医学治療の欠点や足りないところを補うものです。積極的にとりいれ併用する事により効果的な相乗効果が期待出来ます。

治療前に漢方薬を服用しておきますと
 体力、免疫力が蓄えられますので効果的なガン治療が可能になります。

治療中でも漢方薬の併用により
 体力や免疫力が高められますので、強力な効果は有るが副作用の強い抗ガン剤や放射線治療にも耐えられる様になりますのでより効果的な治療が出来ます。

治療後の漢方薬の服用は
 体力の回復を早め、免疫力を高めますので再発防止、効果や延命効果も期待できます。

ガンの再発予防や延命効果に関しては
 動物実験などでも多くの治験データーが蓄積されています。

ガン細胞の増殖の原因は漢方では
 慢性の心身の疲労(気虚)、血行障害(瘀血、血虚)、ストレス(気滞)、加齢(腎虚)、冷え症(陽虚)、食欲不振(腗虚)などによる体力や免疫力の低下によるものと考えられますので原因となる症状を改善、治療する漢方薬を選び用います。

主に漢方処方に用いられる生薬は
黄耆 人参 白朮 当帰 陳皮 当帰 大棗 甘草 柴胡 乾姜 升麻 茯苓 地黄 川芎 芍薬 桂枝 遠志 五味子 生姜 膠飴 括呂根 黄芩 牡蛎 牡丹皮 桃仁 半夏 陳皮 山茱萸 沢潟 附子
などです。

漢方薬では「同病異治」の治療をします。東洋医学の臨床理論が確立されており、その規則に従い、病名で処方を決めるのでなく、体力、体質、病気の進行具合、症状などにより東洋医学的な診断で処方が決められますので、素人判断で漢方薬を服用する事は効果が期待できないばかりか、副作用が起きる場合もありますので、漢方薬の診断に精通した専門の薬剤師に相談したうえで服用される事を御勧め致します。

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