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高血圧症と漢方薬

●高血圧症とは

 一般に世界保健機関(WHO)で定められた基準では、最大血圧(心臓から血液が血管中に送り出されるときの圧で収縮期圧とも云う)160mmHg以上、最小血圧(心臓が拡張したときの圧で弛緩期圧とも云う)95mmHg以上の、少なくともどちらか一方が超えたとき高血圧と呼び、収縮期血圧が140mmHg以下でしかも拡張期血圧が90mmHg以下の時を正常血圧とする。

安静時には酸素や栄養分の消費量は少ないので血圧を上げる必要はないので一般的には低くなります。
運動時や思考時多く消費されるので筋肉や脳に大量の血液を送る必要があり血圧を上げて対処するので、最大血圧が180位まで上昇します。
血圧は、非常に変動しやすく、変化する事により身体が維持されます。その様なわけで血圧は1回の測定で決めるのでなく、日をおいて安静時に3回位計り平均した数値で決める事が望ましいです。その結果により高い場合を高血圧症と云います。
血圧は年齢と共に少しずつ高くなります。
成人女子は男子より低い傾向にあり月経などによっても変化します。
体格、人種などによっても異なります。
運動や食事、気温、体位、神経の高ぶりなどによっても変化します。


●高齢者の高血圧の特徴は

 非常に変動しやすいので日を変えて最低3回以上は測定して高血圧症か否かを決める必要があります。
 無症状の臓器障害と云われ、一見症状がなくても脳や心臓の障害
が相当進んでいる事が多く、無症候性心筋虚血とか無症候性脳梗塞
になります。その様な場合急激に血圧を下げると臓器への血流が減少して病状を悪化させるので徐々に下げていくのが望ましいです。
 合併症を伴う事が多く、高血圧性脳、心臓、腎疾患や糖尿病、高コレステロール血症、高中性脂肪血症、肺気腫、慢性気管支炎など併発します。


●高血圧症の分類

本態性高血圧(原発性高血圧)
 原因不明の高血圧と云われるが遺伝的要素が大きく、加齢、肥満、食生活などの複合要因によると云われる。40才頃より増加し、50才代が最も多い。高血圧の大部分約90%が該当する。
 新薬と漢方薬の併用が可能ですので、症状が安定してきましたら新薬の量を減し、漢方薬のみの服用にする事が可能です。

二次性高血圧(続発性高血圧)
 体内に病変があり、そのために血圧が高くなった状態をいう。脳の障害によるもの、心臓や血管障害、腎疾患、バセドウ病、クッシング病など内分泌疾患などが原因となり、全体の約10%が該当する。
 対症療法薬で単に血圧を下げるのでなく、原因を治療する必要があります。


●症状について

 本態性高血圧の初期では自覚症状は無い場合が多いですが、血圧上昇に伴い、頭重、頭痛、頭部圧迫感、のぼせ、めまい、耳鳴、首筋の張り、肩こり、ひどい物忘れ、不眠、視力低下、眼底出血、動悸、息切れ、胸部圧迫感、心臓部痛、胸苦しさ、狭心症様発作、脈拍結滞、顔足のむくみ、尿量減少、便秘などの症状が顕れますが、高血圧によるものか他に原因があるのかどうか調べる必要があります。判明したらすみやかに原因となる疾患を治療する事が望ましいです。


●高い状態で放置しますと

 圧力に耐えられない組織末端の脆弱な毛細血管が破れ脳溢血などを誘発する原因になりますので、血圧が高い場合は薬の服用により140〜150/85〜90mmHg程度にコントロールするのが望ましく、200/110mmHgを越える場合は漢方薬のみでコントロールしないで化学薬品との併用が安全で確実です。


●高血圧は血圧を下げすぎると

 脳や組織の末梢で酸素と栄養不足になり思考力の低下、疲労倦怠感、立ちくらみ、脱力感、などの症状があらわれる。

※高齢者で長期にわたりこの様な状態が続くと痴呆が進行しやすくなるとも云われています。

末端の細胞組織で酸素や栄養分が消費されていないにもかかわらず血圧が高くなるのは
◎動脈硬化の進行により血管内壁が狭くなり弾力性が無くなる。
◎血中のコレステロールや中性脂肪濃度が高くなる。
◎ストレスや緊張状態が続いたりすると血管が收縮するのため。
◎他に腎臓疾患、中枢神経系、内分泌系の異常による。
上記の理由で血液が血管中をスムーズに流れなくなるので血圧が上昇します。


●日常生活の注意

ストレスをためない様に
怒りっぽい、いらいら、緊張の連続、過度の心配、興奮、睡眠不足にならない様に、心身の安静を心がける。
適度の運動を心がける
自分の体力に合わせ、リラックスして無理しない様、過度の運動はさける。
保温に気をつける
寒さ暑さで敏感に変動します、特に寒いと血管が収縮し上昇します。
香辛料や塩分を取り過ぎない様に、過度の飲酒や喫煙をひかえる。
肥り過ぎや便秘に注意する。
ぬるめで長めの入浴は気分をリラックスさせ血圧を下げます。
現代社会では、喫煙、過飲、飽食や運動不足による肥満、過剰なストレスなどにより症状を悪化させます。日本人は増加傾向にあります。
ミネラルの摂取については
塩分を多く含む食品を控えるように、(食塩換算で10g以下)
カリウムは余分なナトリウムを体外に排出し血圧を下げる働きがありますので。海草、納豆、ほうれん草などカリウムを多く含む食品を食べるよう心がけると良いです。
マグネシュームはナトリウムやカリウムを細胞の外に出したり、動脈を弛緩させたりして高血圧や不整脈を予防する働きが有りますので摂る様に心がける、海藻、そば、ごま、豆腐は多く含む食品です。
多価不飽和脂肪酸は
血管の弾力を保っためには魚の脂質に含まれるEPA(エイコサペンタンサン)も有効です。血圧の微調整を行なうプロスタグランジンという重要な物質の原料でもあります。特にイワシ、さば、まぐろのトロに多く含まれています。
タンパク質は
高血圧は血管の弾力性と関係がありますので血管を作る材料として良質なたんぱく質は充分摂取する必要があります。


●高血圧症の漢方薬治療

 新薬の降圧剤は、速効性で対症療法の薬です。高血圧の原因を根本治療するのではなく血圧を低く抑える働きしかありません、中止すると再び上昇しますので長期間服用する必要があります。
 漢方薬の高血圧治療は、病名で薬をきめるのでなく、それぞれの体質、体力、病歴、年令などを配慮して薬方をきめます。
 直接血圧を下げるのではなく全身状態を改善し血圧を安定にし正常にさせる事を目的にしていますので、前向きの治療ですし、体質改善で原因療法と云えますので、気長に服用する事を御薦めします。

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